医学的に分類すれば、シミは全部で6種類

中高年女性がお肌で悩むことと言えばシミやくすみなどですよね。

といってもシミにはいろんな種類があって、それにより治療法や効果的な対処法は異なってきます。

自分のシミがどれなのか見極められるように、大きく6種類のシミを紹介します。

老人性色素班(日光黒子)

老人性色素班

代表的なシミというのは老人性色素班(ろうじんせいしきそはん)です。歳をとってから出てくるもので多くの女性の悩みの種です。

原因は紫外線によるものですが、シミはすぐに表れるわけではなく数年、または数十年後に蓄積されたものが加齢とともに出てきます。

40歳くらいから発現することが多く、薄茶色で徐々にはっきりとした類円形になるのが特徴です。

外でスポーツをする機会が多かった人や、海水浴などアウトドアを頻繁にしていた人、もしくは肌がもともと白い人などは30歳前後からでもシミがでてくることがあります。紫外線対策は歳をとってからではなく、若いときから行うというのがポイントになります。

老人性色素班のメカニズム

紫外線が原因なので太陽の光が当たりやすい箇所(露光部)にできやすいです。顔だと頬や頬骨のあたりです。

紫外線が表皮の奥(角層)まで届くと、肌のハリの源であるコラーゲンやエラスチンを奪って老化現象を促進します。老化現象を防ぐためにメラニン細胞があり、メラニン細胞は紫外線をブロックするためにメラニン色素を作ります。これが日焼けの仕組みです。

日焼けというのはメラニン色素の色なのですが、通常はターンオーバー機能により新しい細胞がメラニン色素のある細胞と入れ替わることで日焼けの色がもとに戻ります。しかし、年齢を重ねると自然とターンオーバーが遅れてくるのでメラニン色素のある細胞が停滞してしまい、その色が沈着してシミ(老人性色素班)になるのです。

できてしまった老人性色素班のシミは美白化粧品では消せませんが、これからシミを出現させないために美白化粧品でのケアは30代以上の女性にとって大事なことです。

雀卵斑(そばかす)

そばかす

そばかすというのは医学的には「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれます。頬骨あたりから鼻の上部にかけて小さな斑点が散らばったようにできるシミです。

そばかすは遺伝的な要因が大きく、年齢に関係なく幼少期から発現するのが特徴です。

雀卵斑のメカニズム

「そばかす」は紫外線などで多少濃くなることはありますが、基本的には遺伝によるもので防ぎようがありません。特に肌が白い白人の人に多く見られ、日本人でも肌が白いひとのほうが割合としては多いです。子供のころから出てくるのが特徴です。

治療より予防

レーザー治療や光治療で治療することができますが、遺伝によるものなので再発してしまうこともあります。

そばかすは小さくて薄いものが多いので、ファンデーションなどで隠すことが容易です。遺伝によるものなので、濃くならないようにUVケアをしっかりすることを心掛けておきましょう。

薄くする栄養素を摂る

そばかすはビタミンCやビタミンE、L-システインなどの作用で薄くすることは可能です。シミ消し化粧品などで肌に栄養素を浸透させる方法もありますし、薬用のハイチオールCのようなサプリメントや錠剤などで内側から作用させることもできます。ドラッグストアであれば医薬品外部の商品も多数あります。

炎症性色素沈着

炎症性色素沈着

ケガや炎症、虫刺されやニキビ跡にできるシミが炎症後色素沈着というシミです。シミ消し治療のために行ったレーザー治療後にできることもあります。

炎症性色素沈着のメカニズム

皮膚が炎症などの刺激を受けると活性酸素が生成され、メラニン色素が合成されます。防御機能の一環なのですが、メラニン色素がターンオーバーの停滞により残ってしまうとシミになります。

汗疹やアトピー性皮膚炎、虫刺されやニキビ、湿疹や火傷、毛嚢炎(毛包炎)などのあとにできることが多いです。

ケミカルピーリング治療

ケミカルピーリングはフルーツ酸(AHA)の作用により古い角質を落として、ターンオーバーを活性化させる施術です。美容皮膚科などの医療機関で行われています。

光線性花弁状色素斑

花弁状色素班

海やプールなどで紫外線対策をせずに長時間太陽の下にいるとできるシミで、両肩から上背に花弁のような模様状になるのが特徴です。

光線性花弁状色素斑のメカニズム

海水浴などで強力な紫外線を浴びた場合、皮膚が火傷のようになり、その部分がシミになります。

レーザー治療

光線性花弁状色素斑は皮膚の奥深くにまでダメージが届いていることが多いので、レーザー治療が有効です。逆にそれ以外の治療法はあまり効果が期待できません。

肝斑(かんぱん)

肝斑

肝斑(かんぱん)は目尻のあたりにできるシミのことです。顔の両側に左右対称にできることが多いのが特徴で、さらに老人性色素班とは全く異なるシミなのでシミ消し化粧品などは効果がありません。

肝斑の見分け方は、輪郭がはっきりせず薄い色のシミが広範囲に広がっていることと、目尻のあたりに集中しているということで判断します。

肝斑のメカニズム

肝斑は紫外線などはまったく関係なく、女性ホルモンのバランスに関係していると言われています。

妊娠や経口避妊薬の服用、ストレスや疲れ、更年期障害などにより出てくるシミで、特に30代後半から40代、50代女性に多く見られます。また、60歳を過ぎるとだんだんと薄くなっていき消えていくのも特徴です。

ただ、紫外線によりシミが濃くなることはあるので、紫外線対策は行った方がいいでしょう。

肝斑の治療法

肝斑はシミ消し化粧品やレーザー治療などはほとんど効果がありません。それどころか悪化する場合もあります。

有効な治療方法としては、トラネキサム酸が配合された薬を服用することです。1ヶ月ほどで効果が出て、2ヶ月ほどでかなり薄くなる場合が多いです。

脂漏性角化症(老人性いぼ・老人性疣贅)

脂漏性角化症

皮膚に発祥する良性の腫瘍の一種で、高齢者になると現れることから「年寄イボ」とも呼ばれます。

太陽光がよく当たる場所にできることが多く、黒色や淡褐色と色はさまざまで、隆起するものもあれば、平らなものもあります。

かゆみが出たりすることもありますし、まれに若い人でもできる場合があります。

似たような症状で首筋など柔らかい皮膚にできる糸状疣贅(スキンタッグ)というものもあります。

脂漏性角化症のメカニズム

一般的なシミ(老人性色素班)がひどくなって皮脂と混ざり酸化したりして、隆起したり表面が硬くなったりしたものが脂漏性角化症です。

老人性色素班の発展形なので、60代以上の高齢者に多く、それまでにシミをいかに作らないようにするかという対策をしていたかどうかが分かれ目です。

炭酸ガスレーザー治療

シミ消しのレーザーではなく、イボやホクロに使用される炭酸ガスレーザーを使った治療が効果的です。

老人性色素班も混在していることが多く、QスイッチYAGレーザーやアレキサンドライトレーザーなども併用することもあります。

電気焼灼治療(電気外科的治療)

皮膚の表面だけを電気メスをつかって削り取る治療方法です。キズになりますが、浅いキズなので2週間ほどで傷跡はなくなります。

液体窒素による凍結療法

凍結療法は瘢痕という跡が残ってしまうので、あまり顔でのシミ消し治療は行われません。主にカラダなどにできた脂漏性角化症の患部に施術します。液体窒素を患部に当てれば、あとは自然にかさぶたになって、最終的には自然に脂漏性角化症も取れます。ただし、大きくなった脂漏性角化症には使用できません。

外科的手術による切除

大きくなりすぎた脂漏性角化症は外科的手術によって取り除きます。こうなってしまうと、前癌状態である日光角化症(老人性角化症)の可能性も視野に入れ病理検査をする事もあります。組織検査をすると2週間ほどで結果がわかります。

参考:メラノーマ(悪性黒色腫、ほくろの癌)【日本臨床皮膚科医会】